第1章.はじめに(PCMプロセッサーの概要)

1.1 PCMプロセッサーの概要
 PCMプロセッサーとは、家庭用のVTRを使用してデジタル音声を記録・再生するための装置のことです。いまから、約20年以上も昔に販売されていた商品です。PCMプロセッサーの第1号機は、SONYから販売されたPCM-1です。このPCM-1については、SONYのHP上に詳しく記載されています。
 上記、SONYのHP上には記載されておりませんが、このPCM-1はすぐに販売が中止されました。その理由ですが、このPCM-1はSONYの独自のフォーマットであり、他社が同じようなPCMプロセッサーを販売した場合に、互換性がたもてず消費者を混乱させる可能性があるためと聞いたことがあります。
 その後、PCMプロセッサ―は、EIAJ(現在は、JEITA)にて"CPZ-105"という名称で規格され、規格制定後はSONY以外からのメーカーからも販売されるようになりました。SONYからもバッテリー駆動対応のPCM-F1と、ホーム用のPCM-701ESという2種類がEIAJ規格対応として販売されました。
 ちなみに上記、"EIAJ CPZ-105"は、既に10年以上も前に廃止となっており、現在では規格書の販売、閲覧等は不可となっています。(どなたか、この"EIAJ CPZ-105"をお持ちの方がいらっしゃいました、閲覧させていただけませんか?)

1.2 44.056kHzと44.1kHz
 PCMプロセッサーのサンプリング周波数には、2種類が存在しています。おおむね、初期のころの製品は44.056kHzですが、末期のころの製品、例えばSONYのPCM-501ES等は44.1kHzです。どのような背景でサンプリング周波数が変更になったのか?、また、上記の"EIAJ CPZ-105"ではどのように規定されているのか?等の詳細については、現状、私は詳しい情報をもっておりません。
 ただ、ご存知のように44.1kHzはCDと同じサンプリング周波数であり、もしかしたらCD-Rへのディジタルコピーが可能なのではないか?と考えるようになりました。

1.3 PCMプロセッサーで録音した音源のCD-R化
 私、友人所有のPCM-501ESを使用し10数年前に録音したベータのテープを所有しております。そこで、ベータVTRが正常に動作する現在のうちに、PCMプロセッサーで録音した音源をCD-RにCOPYする方法を考え、実行してみることにしました。
 その後、インターネット等で情報を集めるにつれて、PCMプロセッサーで録音した音源をCD-R化するにはいくつかの問題があることがわかりました。それらの問題の解決方法について順番に説明します。
 また、今回のCD-R化については、etoilesさんのHP(現在は閉鎖中)を参考にさせていただきました。


第2章.PCMプロセッサーからのデータの取り出し(PCM-501ESの改造)
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